課長と煙草と私

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その日から三日にあげず、課長にお持ち帰りされるようになった。 毎回、貪るように口づけされ、ベッドの中で散々泣かされる。 沈んでいく意識の中で煙草の香りの口づけをしてくれるときだけは優しくて、そこが一番好きだなんて口が裂けても云えない。 三月に入ってすぐ。 食堂で宮部くんとお昼してた。 お局様たちはあの件のあと、課長から密かな制裁を食らってたので、ちょっかいを出してくることはない。 「緋羽、最近、疲れてない?」 「あー、うん。 大丈夫、だよ」 ……云えない。 誰かさんから頻繁にお持ち帰りされてるせいだなんて。 「そうか? おまえんとこのドS課長に泣かされてるんじゃないか?」 「う、ううん……」 ……ええ。 違う意味で泣かされまくってますが。
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