課長と煙草と私

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……私、氷川緋羽(あけは)が課長を好きになったきっかけは。 困っている私を助けてくれたこと。 その日、大学時代から友達で、同期の宮部くんと何気なくいつものようにふざけてたら、……お局様グループに目をつけられた。 宮部くんがモテるって自覚がなかったわけじゃない。 知ってたよ、一応。 ……でもさ。 「氷川さん、この資料の整理、やっといて」 「氷川さん、明日の会議の資料、百部ずつコピーお願い」 「氷川さん、この……」 あっというまに私のあたまよりも高く積まれたファイルたち。 「あのー、これ、全部、……今日中、ですか?」 「そ。今日中。 これくらいできるよね?」 「……む」 「できるよね?」 「……はい」
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