星の欠片?

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私はその絵に見入っていた。 ―――綺麗……。 そこに有ったのはこの学校の制服を着た女子生徒が椅子に腰かける絵であった。 まるで息をしているような、見事な絵であった。 私は時の経つのも忘れて見入っていた。 「崎風、今日はもう良いぞ」 先生の声だ。私は時計を見るとすごく時間が経っていた。 私は何事もなかったように帰ることにした。 翌朝、私はいつもの様に登校してみると、隣に机があった。 私の席は一番後ろで隣は空いていたのに何時の間にか机と椅子があった。 すると、昨日の絵の少女が隣に座る。 「始めまして、『星宮 美絵里』です」 「え?」 「私は魂の欠片……。あなたに会いたくてここまで来てしまいました」 これは私のツマラナイ毎日を変える出会いであった。 そんな事に浸っているけどあなたは誰なの? 私は勇気を出して彼女に色々聞いてみることにした。 「私はシリウス……『星の欠片』永遠の時を過ごす者。あの絵の片隅で静かな時を過ごしていた。そして、あなたに引かれて実体化してお話がしたかっただけ」 「星の欠片?」 「そう、あなたの担任の先生が学生時代、『星の欠片』である私をモデルに描いたのがあの絵」 白鳥先生がこの学校出身なのは有名だけどあの絵を描いたのもそうだとは、先生は数学が専門だけど美術部員だったのか。 「そうか、あなたは人ではないのね」 「永遠の時を生きる者であること以外は普通の人と変わりないわ」 『星の欠片』……聞いたことがある、星の加護を受けし者、人と変わらず、時にその存在を示し、語り継がれている者が。詳しくは知らないけれど、おとぎ話だと思っていたけど実在したのね。 「ねえ、崎風さんでしたっけ、古い洋館を借りたの、お掃除手伝ってくれないかしら?」 また、掃除かでもなんだろう、私の心が彼女に引きつけられている。 「分かったわ、美絵里さん」 それは、簡単な返事であった、でも、私の運命を決める大きな選択人生とは不思議なもので簡単な返事がその後を左右するのであった。
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