星の欠片?

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その日、私は美絵里に教えて貰った場所に行き掃除を手伝う事にした。 こんなところに洋館なんてあったかな? 私は少し不安になっていたがそれでも地図を頼りに歩いていた。 うん?ここか少し荒れていたが確かに洋館が立っていた。 私は少し臆していたが勇気を出して声を出してみる事にしてみた。 「こんにちは」 返事がない。 「こんにちは!」 「あら、そんなに大きな声出さなくても聞こえてよ」 美絵里が物影から顔をだす。 「うあ、脅かさないでよ」 私は突然出てきた美絵里に驚いてしまう。 そう、美絵里はある意味とても存在感があるのだ。 そんな事より掃除を手伝いに来たのだった。 「こんにちは、約束した、掃除の手伝いに来ましたよ」 「ありがとう、こっちに来て一緒に片付けてくれる?」 「はい」 私はテキパキと動く美絵里の後を追いかけて一生懸命に掃除をした。 こうして美絵里の後について掃除をしていると美絵里がいかにも劣等感を覚えるでも、悪いきはしない、少し段取りの悪い自分を責めてしまうのだ。 そして、だんだん、片付いていき、いつの間にかに少し古めだけどそれは綺麗な洋館になっていた。 「崎風、お茶にしましょう」 美絵里の言葉に疲れ果てていた私は安堵感をえた。 私達は庭の見えるテラスでお茶を飲む事にした。 そこで、私はふと疑問が生じた。 「美絵里はここに一人で住むの?」 「えぇ」 「寂しくない?」 「そうね、私は一人の方が気楽で楽しいかな、それに役目もあるし」 すごいな、同い年なのにもう自立している。 『永遠を生きる者』星の欠片か……。 私は少し美絵里が遠く感じられた。でも、美絵里は御構い無し、優雅にティーカップをすする。これは勝てない。私は劣等感に襲われていた。 そんな私に美絵里は何もかも見通した様な笑顔で「お茶もう一杯いかが?」私はたまらず。 「遅くなるといけないから、帰るね」 そう言うとそそくさと帰ってきてしまった。 なんだか逃げ出したみたいで憂鬱だった。 せっかく、素敵なお友達ができて、お茶していたのに……。 私は道端に転がる石を蹴ってみた。 軽く転がる石を見てさらに落ち込む。イカンイカン、明るい私は何処にいった? そうだ、帰ったら絵の特訓をしよう。私は空を眺めるとそう決意したのだった。
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