第1章

2/7
前へ
/7ページ
次へ
全身に衝撃が走り、意識を失い倒れたような感覚になった。 「…あき…! しっかり…!」 薄っすらとした意識と視界の中で、近くから微かに女の子の声がする。 「…ぅ…」 「…大丈夫?! ずっと心配してたんだから…!」 目の前にいる見知らぬ黒髪ロングの美少女が涙声で話しかけてきた。何故泣いているかわからない…。 ベッドから身体を起こして見回すと、見慣れない部屋だった。 「…君、は…」 「まさか…忘れちゃった…とか…?」 「…分からない…。…っ…」 自分が誰なのか、ここは何処なのか、一切分からない。 思い出そうとしたら頭痛がして、思わず顔をしかめて頭を押さえる。 「! 大丈夫?! 頭痛いの?」 「……」 痛みで頷くことしか出来なかった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加