第1章

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「自己紹介すると、名前は神條美月。 で、この子は琴吹実九。私たちの2つ下」 「実九です。秋人さん、大丈夫ですか? 目が覚めて良かったです…心配したんですよ?」 「私たちは幼なじみだったんだ。物心ついた頃からでさ。何か覚えてない…?」 「そう、なんですか…。いえ、覚えてません…」 全く覚えていないのが申し訳なくて俯きながら謝る。 「いやいや、謝らないでよ。君が悪いわけじゃないんだから。で、君の名前は白河秋人ね。 あと、敬語は使わなくていいよ。家族みたいなもんなんだし」 「…はい…」 白河…秋人…幼なじみ…神條美月…琴吹実九。 記憶の奥が白いモヤがかかったようになっていて思い出せない…。 「それと、秋人には他にも心配してくれる人がいるんだよ。後で来てもらって会話してみようか。何か思い出すかもしれないし」 そう言いながら神條と名乗った彼女は誰かにメールを送っている。 この2人以外にも自分には知り合いが…。 それにしても今から来てくれる人なんてどんな人なんだろう?
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