第1章

4/7
前へ
/7ページ
次へ
しばらくすると、インターホンが鳴り、誰かが訪ねてきた。 美月が応対し、来訪者が入って来たと思ったらこちらを見るなり駆け寄ってきて、抱きつかれる。 「秋人ー!心配してたのよー!」 いきなりのことにリアクションも出来ず、目を白黒させていると、 「ちょっ、抱きつくのやめなよ。秋人がビックリしてるじゃん」 抱きついている女の子の両腕を掴んで離そうとしてくれる。 「なによ~、いいじゃない別に。減るもんじゃないし~」 一向に離れようとせず、ますます密着してくる。 「…」 「ん? もしかして、何か思い出した?」 「いや…何も…」 「なんだぁ。これでも思い出せないのね」 しょんぼりした表情を浮かべる。 「記憶を辿ってみる」 「うん、無理しないでね」 何とか思い出そうと、目を閉じて記憶の奥に意識を向ける。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加