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しばらくすると、インターホンが鳴り、誰かが訪ねてきた。
美月が応対し、来訪者が入って来たと思ったらこちらを見るなり駆け寄ってきて、抱きつかれる。
「秋人ー!心配してたのよー!」
いきなりのことにリアクションも出来ず、目を白黒させていると、
「ちょっ、抱きつくのやめなよ。秋人がビックリしてるじゃん」
抱きついている女の子の両腕を掴んで離そうとしてくれる。
「なによ~、いいじゃない別に。減るもんじゃないし~」
一向に離れようとせず、ますます密着してくる。
「…」
「ん? もしかして、何か思い出した?」
「いや…何も…」
「なんだぁ。これでも思い出せないのね」
しょんぼりした表情を浮かべる。
「記憶を辿ってみる」
「うん、無理しないでね」
何とか思い出そうと、目を閉じて記憶の奥に意識を向ける。
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