Lady メリー第三話 Lady メリーと黒い森

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  しばらくして船団は出航した。 この地域の領主と思われるマントの男は、 船団の先頭に位置する大きな船の船べりで、 今度の戦の作戦を練っている。 ・・・さて、 彼の船が湖の中ほどにきた時、 一羽の大きなワタリガラスが、 領主がいる営倉の屋根にバササと留った。 ワタリガラスは、 小刻みに首をかしげながら、 領主に興味を持ってるようにも見える。   ガァァァ・・・  「ほう、珍しいな、  こんな人間の近くに・・・」 マントの領主は、 ワタリガラスを刺激しないように、 船べりに手をついてその鳥を観察しようと試みる。 だがその時、男は自分の耳を疑った。 何故なら、 そのワタリガラスの嘴から、 突然、人間の女性の声が聞こえてきたからである。  「 わたしはマリー・・・  今 おまえの船の下にいる・・・ 」 水しぶきをあげて水面から一体の人形が現れた!  「う お お お ぉ っ ! ? 」 その人形は、 後ろから領主の腕をガッチリとはさみ、 あっという間に男を水中に引きずり込んだのだ。 兵士達はその一瞬の出来事に、 何が起きたか、殆どの者が理解すらできない。 忠実な部下が湖に潜り、 領主を助けようと準備を始めるが、 あれだけの装備をしたままで、恐らくそれは叶うまい・・・。 そのうち、 もつれあった二体の身体は、 既に陽の光も薄い、 冷たく暗い湖の底に達しようとしていた・・・。  
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