第1章

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「生まれ変わるなら、何がいい?」 そんな質問を小学生の頃にされた気がする。 当時、僕がなんて答えたかは覚えていない。 ただ今答えるとすれば 僕以外。 僕以外だったら誰だっていい。なんだっていい。 つまらない人生をもう一度繰り返す位なら 人形でもかまわない。 でも僕の口は嘘をつく。 「なんでもいい」 目の前にいる同級生が何者か知らないけど適当に答える。これが一番無難で悪くいえば面白味のない回答。 それでも少女はまるでとても珍しい植物を見つけたかのように口元を緩めて白い肌に微笑を浮かべた。 「そっか。」 友達に呼ばれ今行くーと返事を返すと再び僕に向き直る。 「橘君は、面白いね」 そう一言残して去っていった。 面白いなんて今まで生きてきて言われたことないや 独り言のように夏の風に言葉を吐いた。
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