束縛

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あぁ、また始まった。こんな暑い夏の日に少年は犬である私を、鎖で縛るかのように束縛する。私は束縛が嫌いだ。ましてはもう少しの短命、自由にさせてくれ。 この家に来て5年。少年はまだ生まれたばかりだった。この家に来るまではブリーダーに育児放棄され保健所に引き取られた。もうだめかと思ったがこの家に引き取ってもらえていまに至る。 つまり現在の状況を説明すると、鶏が鳴くのと同時に少年が走ってきてものすごい力で抱き締めてくるのだ。普通の犬だったら喜ぶが、何せ束縛が嫌いなもんでこの少年の元を離れたいと思う日々だ。
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