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7年前、幼馴染の何気ない一言は今も俺を縛っている
ーータバコ吸ってる男の人って、なんかいいよね
その時隣で聞いてた俺は意味わかんね、と笑ったけど、その時からだ
俺はタバコを吸い始めるようになった
子供ながらに、未知なるものに興味はあった
けれど、きっかけを作ったのは間違いなく幼馴染の一言だった
多分俺はあいつ以外の誰が同じ台詞を吐いたところで、ここまでタバコを吸い続けることは無かっただろうと思う
そして、今なら分かる
俺は幼馴染に恋をしていた
俺はもう一本ポケットからタバコを取り出して火をつける
口に広がる苦い味は七年前初めてタバコを咥えたあの日と何も変わらない
すぐにでも辞められると思っていた
けれど、実際は今も辞められないまますでにあれから早7年の歳月が流れた
これから先もしばらくはやめられそうに無い
《苦きタバコは恋の味・終》
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