第1章

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でやアッツ!! アイッツアイッツ!! 『デーオデオデオデオデオデオッ!!』 「ぐはっ!」 「ちょちょ、ギブッ! ギブアッププリ―――ズッ!! 鬼先生!! ギブミー!!」 「吉田、どうした吉田? ん? 気合が足りんぞおお!! 練習不足か? んっ? んっ?」 「すいません!勉強が忙しくて最近寝不足で…」 「吉田、吉田よおお、 果たして、ナポレオンが生きていたら言い訳を言ったか? お前のそれはいい訳だよ?」 「すいません……。 鬼先生、でも僕、囲碁将棋部だし、 なんで、空手やらされてるんでしょうか?」 「吉田!! 言い訳は一週間に二度も言うな。 男だろ!!」 「え? あ、はい…すいません…。 えっと、この後塾があるんで、そろそろ帰りたいんですけど…」 「おお、そうかあ! 偉いぞ吉田! よしッほら、行ってこい!!」 お前はあれだな、 三国志で言うところの ろ…りょ……? め……なんだっけな、ほら、あいつだよ! 「まあいい、もう、行ってよし吉田ッ!!」 「あ、はい、、 ご指導ありがとうございました鬼先生」 「気をつけて帰れよお!」 ―――――― ――宇藤耕三先生。 『通称鬼先生』 僕の通う虻川中学の体育の先生で、 熱血で曲がったことが大嫌いだ。 何故「鬼先生」なのかというと、 鬼のように恐いからとか、教師漫画の主人公に憧れているからとか 名前の由来は諸説あるらしいが、本当のところは おにぎりが大好物だからオニ=鬼先生だと僕は勝手にそう思っている。 僕? 僕は吉田シンジ。 虻川中学に通う中学3年生。 あだ名は吉田さ。こんな性格だからか いつもクラスの悪い連中に 目をつけられている。 そんな事を知ってか知らずか放課後、鬼先生は僕に 空手? を教えてくれるのだけれど、 身長161cm体重45kgの僕が 身長2m体重130kg? 140kg? の鬼先生にかなうわけもなく、 いつもボコボコにされていた。
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