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――タッタッタ
「ハァハァ……」
「鬼先生!た、大変だ!
う、うちのクラスの白田君が!」
『な?なんだって!!』
「い、いや、まだ何も言ってないんですけど!」
『吉田の足音、呼吸、表情、短いジャージの裾を
見れば、もうほぼ50%理解した!!』
『どこだ?!
案内しろっ吉田!!』
「は、はい!!
体育館の裏です!!」
『しまった!
体育館の裏か!!』
「はい! え? それがどうかしたんですか?!」
『そこは…まずいな! 急げ! 吉田!!』
「あ、ちょっと…
はぁはぁ……ままッ待ってください!!
――――――
――
――はぁはぁ……
「な、これは!? さっ、斉藤?
これは一体どういうことですか?! 鬼先生!!」
遅かったな吉田。
見ての通りだ。
――『斉藤達は食われちまったんだ。魂を。』
――た、魂!?
そこには
ミイラのように細くしわくちゃになり、横たわった斉藤達の姿があった。
『白田!!
よくもやってくれたな、、
許さんぞ!!』
「え? 鬼先生…白田くんて…
これが白田君?」
見上げたそれは壁ではなく、
――3m? ――5m?
とにかく、巨大化した白田君の姿だった。
その巨体は今にも体育館と校舎の間に挟まりそうなほどだった。
――「鬼先生!!」
『吉田!!
説明は後だ!
こいつと戦え!
そして、必ず勝て!!』
――「!!」
勝つことができれば
斉藤達の魂はこの世に戻る!』
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