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「勝負?
勝つって? このジャイアントな白田君と!?」
「無理ですよ鬼先生!!」
『吉田! お前ならできる!
先生の修行に3カ月も耐えたお前ならできる!』
「お、鬼先生……」
僕は嬉しかった。
鬼先生は今までの僕のことをしっかりと見ていてくれたんだ。
そして僕のことを認めてくれた。
そう思うと、身体の底から今までにない感情が湧き上がってきた。
「鬼先生、僕やります!!」
『よしっ! 偉いぞ吉田!』
『さあ、白田! うちの吉田が相手だ! 競技種目は何だ?』
「え?鬼先生、競技種目って?」
『ああ、言い忘れたな、
こいつは地獄から来た「鬼」なんだ。
おそらく、白田だから白オニだな、うん。』
説明すると400000文字は必要だから、
要約するが――――
こいつら鬼は普段は人間の憎悪、
恐怖心、猜疑心、嫉妬、妬み、復讐心、絶望感、、それらのゆがんだ感情を餌に地獄からやってきて、その人間の魂を喰らい、やがて、その人間を支配する。
鬼は腹が減ると、人間を襲う。しかし、襲える場所は「鬼門」と呼ばれる地獄と人間界を繋ぐごくわずかな場所に限られている。
「ええと、つまり、そこにいるのは白田君だけど白田君じゃなくて、
鬼だということですね!?」
『そうだ! そして鬼門は、その鬼によって、それぞれ場所が異なり、
こいつにとってはこの体育館裏が鬼門ということだ』
つまり、奴のテリトリー。
吉田は奴の最も得意とするジャンルで勝たなければならん。
以前から、白田のことはマークしていたが、
鬼はみずからの意思、行動では鬼門に近づくことはできない。
だから、油断していた。
斉藤達の行動が奴の行動を速めてしまった。
しかし、これは先生のミスだ。
すまない!
さらに、私は鬼と戦えないんだ。
「な、何故なんですか!? 生徒と教師だからとか言うんじゃないですよね!?」
――鬼は、鬼と戦ってはいけないという法律があるからだ。
「え!? 鬼先生はまさかっ……」
そうだ、吉田。
黙っていて悪かったな。いや、聞かれたら答えたけど。
『先生は鬼畜だ!!』
どうだ、吉田、先生を軽蔑したか?
――「いえ、安心しました」
鬼先生みたいに
いい鬼もいるんだなって!!
『よ、吉田……(天然か?)』
「鬼先生!!
で、僕はどうしたらいいんですか!?」
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