第1章

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「勝負? 勝つって? このジャイアントな白田君と!?」 「無理ですよ鬼先生!!」 『吉田! お前ならできる! 先生の修行に3カ月も耐えたお前ならできる!』 「お、鬼先生……」 僕は嬉しかった。 鬼先生は今までの僕のことをしっかりと見ていてくれたんだ。 そして僕のことを認めてくれた。 そう思うと、身体の底から今までにない感情が湧き上がってきた。 「鬼先生、僕やります!!」 『よしっ! 偉いぞ吉田!』 『さあ、白田! うちの吉田が相手だ! 競技種目は何だ?』 「え?鬼先生、競技種目って?」 『ああ、言い忘れたな、 こいつは地獄から来た「鬼」なんだ。 おそらく、白田だから白オニだな、うん。』 説明すると400000文字は必要だから、 要約するが―――― こいつら鬼は普段は人間の憎悪、 恐怖心、猜疑心、嫉妬、妬み、復讐心、絶望感、、それらのゆがんだ感情を餌に地獄からやってきて、その人間の魂を喰らい、やがて、その人間を支配する。 鬼は腹が減ると、人間を襲う。しかし、襲える場所は「鬼門」と呼ばれる地獄と人間界を繋ぐごくわずかな場所に限られている。 「ええと、つまり、そこにいるのは白田君だけど白田君じゃなくて、 鬼だということですね!?」 『そうだ! そして鬼門は、その鬼によって、それぞれ場所が異なり、 こいつにとってはこの体育館裏が鬼門ということだ』 つまり、奴のテリトリー。 吉田は奴の最も得意とするジャンルで勝たなければならん。 以前から、白田のことはマークしていたが、 鬼はみずからの意思、行動では鬼門に近づくことはできない。 だから、油断していた。 斉藤達の行動が奴の行動を速めてしまった。 しかし、これは先生のミスだ。 すまない! さらに、私は鬼と戦えないんだ。 「な、何故なんですか!? 生徒と教師だからとか言うんじゃないですよね!?」 ――鬼は、鬼と戦ってはいけないという法律があるからだ。 「え!? 鬼先生はまさかっ……」 そうだ、吉田。 黙っていて悪かったな。いや、聞かれたら答えたけど。 『先生は鬼畜だ!!』 どうだ、吉田、先生を軽蔑したか? ――「いえ、安心しました」 鬼先生みたいに いい鬼もいるんだなって!! 『よ、吉田……(天然か?)』 「鬼先生!! で、僕はどうしたらいいんですか!?」
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