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『まだ女に飼われてるのかよ』
タカノリは不機嫌を隠しもしない。だがオミはそんなタカノリを気にした様子はないようで平然とそれに答えた。
『俺はまだ唯一無二の「屋号」を持ってないからな…』
『ちっ』
オミの態度がまたタカノリの機嫌を損ねさせる。
『座れよ』
タカノリが座ると、テーブルには豪華な食事が並べられていった。
『で?』
タカノリの問いにオミは口角を上げた。まるで何を聞かれるのかも分かっていると言いたげなオミにタカノリの苛立ちは増していく。
『メシを食わせるためだけに俺を呼んだんじゃねーだろ。要件をとっとと言えよ』
『焦んなよ。まずはメシを食えって…』
『ざけんな』
タカノリは我慢の限界だと言わんばかりの勢いで立ち上った。
『女の施しを喜べってのか?』
『俺の施しだろ』
『余計にムカつくっつーの』
タカノリは吐き捨てるように言うとオミに背を向ける。
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