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だがナオトはリュウジに近づくと
『何やってんだばーか』
と、イタズラっぽく舌を出した。
『いつもなら扇が飛んでくるのに…』
『じゃ、お望み通りに…』
と言うと、ナオトは腰に差していた扇を手に取り、無防備になっていたリュウジの額を打った。
『あねさん、痛い』
もう来ないと思っていたのでリュウジはガードを緩めたところだった。
『扇が来るって思ってたってことは、殴られるようなことを言った自覚があるってことだろ?』
『だって、あにさんだって、あねさんに甘えて欲しそうだったし…』
リュウジの言葉にナオキは大きく頷いた。
それを見たタカノリは小さなため息を吐き、
『師匠のイメージがどんどん崩れていく』
と、肩を落としていた。タカノリはナオキに尊敬の念を抱いていたので、予想外のナオキの様子が受け入れにくいようだった。
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