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『でも、神楽の舞って神様に捧げる舞なんでしょ?』
不意にリュウジがぽつりと言葉を漏らした。
『ああ…』
リュウジの素直な問いにナオキが答えると、
『あにさんがあねさんに認めてもらうために舞を突き詰めたなら、あにさんにとっての神様はあねさんだったってことになりますよね…』
言い切ったリュウジを見つめ、きょとんとするナオトとナオキ。だがナオキは口許を緩めると
『そうかもしれないな』
と呟いた。
『ですって、あねさん!』
何故かドヤ顔でナオトに得意げに微笑むリュウジに、ナオトは明らかに苛っとした様子だった。すかさずリュウジは額を押さえる。
『だからリュウジは一言余計なんだよ』
オミがリュウジに歩みより首に手を掛けた。
『そんなことないよー』
オミの言葉に異を唱えるが、ナオトを窺っているリュウジの態度は肯定以外のなにものでもなかった。
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