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『あのさ…』
今まで黙っていたタカノリが口を開いた。
『いい加減行かない?俺らすげー人目引いてる』
『本当だ』
「うたい屋」三人と「ばくち屋」の一行に「界隈」の女たちは好奇の目を向けていた。
『見世物じゃねーっての!』
苛立たしげにタカノリが呟くとリュウジが先頭を切って歩きだした。
『リュウジ道間違えないでよ』
タカノリに言われリュウジは振り返りながら
『間違えないよ!』
と声を上げる。しかし、勢いよく振り返ったせいか、リュウジは体勢を崩し転びそうになっていた。
『大丈夫か?』
リュウジのすぐ後ろを歩いていたエリーがリュウジの腕を掴み、リュウジは転ばずにすんだ。
『ありがとエリー、』
『ちゃんと前見て歩かねーと、またこけんぞ』
『こけてないし…』
リュウジはムキになってオミに言い返す。
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