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オミは大きくため息を吐くと去って行こうとする背中に向かって叫んだ。
『俺についてくれよ。リュウジとエリーを出し抜きてーんだ』
タカノリはゆっくりと振り返る。
『お前、何言ってるか分かってんのか?』
『ああ。唯一無二の「うたい屋」を名乗るにはお前の力が必要だ。だから俺に…』
『断る。「屋号」ってのはな、てめーの力で手に入れなきゃ意味がねーんだよ』
タカノリの瞳は明らかにオミを蔑んでいた。背を向け店を出ていくタカノリを見つめオミは呟いた。
『変わらねーな、あいつは…』
そう言ったオミは何故か楽しげに微笑んでいた。
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