第5章

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『で?今日はどんな用件だい?』 かれんが聞くとリュウジの顔つきが変わった。 『今度の神楽奉納の後で、俺たち「うたい屋」と「屋号」を持つ四人で舞台に立つんだ。その時の衣装を見繕いに来たんだ』 『おや、そいつは大役を任されたねえ』 リュウジの説明にかれんが声をあげた。 『衣装のイメージはあるのかい?』 『かれんさん、少し服を見させてもらっていいですか?』 リュウジが答えるより先にタカノリがかれんに聞いた。 マスクに覆われた顔を向けたかかれんはゆっくりと頷いた。 それを見たタカノリは所狭しと並ぶ服を見ていく。そしてオミとエリーもタカノリの隣に並び服を見始めた。 『どんなのがいいかな?』 『歌と舞の融合だろ?それにリュウジとオミの歌とエリーの歌はまた種類が違う。いろんな要素が混ざった感じがよくない?』 そんな会話を聞いていたかれんが店の奥へと姿を消した。そして、 『リュウジ!』 と奥からリュウジを呼んだ。
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