第5章

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相変わらず頬を膨らませたままでリュウジは今度はオミに向かっていく。 『リュウジ、用が済んだなら早くあねさんのところに戻りんさい。きっと、心配しておいでだよ』 『タカノリが一緒だって知ってるし、いくらなんでも俺子供じゃないんだから…』 『バカだね。いくつになってもあねさんにとってお前は心配の種に変わりはないよ』 『ねえさん…』 かれんは彼らを促すように服を袋に詰め込んだ。それをリュウジに渡すと 『神楽奉納には伺うとあねさんに伝えておくれ』 『うん!俺たちの舞台も楽しみにしていてね』 『勿論さ…』 そう答えたかれんの声は優しさに溢れていた。 一行はかれんに頭を下げて彼女の店を出た。 『いい人だね…』 帰り道でタカノリが言うとリュウジがタカノリの隣に並んだ。 『きっとかれんねえさんはみんなのことも家族だって思ってくれるよ』 『え?』 リュウジの言葉にタカノリが声を漏らす。
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