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その頃、神楽堂では…
『おそいっすね…』
ケンジロウの呟きにナオトとナオキが顔を見合わせた。
『リュウジの奴、かれんに会うのは久しぶりだからな…話をとめられねーんじゃないかな』
『知り合いなのですか?』
ナオキが心配そうな声でナオトに問いかける。
『お前も知ってるよ。お前に断りを入れてた店の子さ…』
『ああ、あの…彼女は事情を知っていたのでしょう?』
『ああ、問いただされて話しちまったよ』
『いつ頃からかわたしに対する態度が和らぎましたからね』
『店の奴らはお前が俺を「をんな屋」ごときと見下しているから会わないのだと勝手に思い込んでいたようだからな』
『会っていただけなかったのはわたしの方でしたのに…』
『わりぃ』
ナオトが俯くとナオキはナオトの腕を掴んで引き寄せた。
『過去はどうでもいいのです。今あにさまはわたしと向かい合ってくださっているのですから…』
ナオキがナオトを抱き締めようとした時、
『はい!いちゃつかない!』
ケンジロウが手を叩いてナオキを制した。
『隙あらばイチャつくんやから…』
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