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ケンジロウがため息をつきながらボヤいていると、神楽堂の入り口が騒がしくなった。
『帰ってきたな…』
ナオトが言うと四人が話ながら入ってきた。
『あねさん、お勤め果たしてきたよ』
リュウジが自慢気に声をあげた。
『リュウジは話に夢中で次の約束しようとしてたじゃん』
『なんでバラしちゃうのさ!』
タカノリの暴露に不満の声をあげたリュウジをナオトが見つめていた。
『ご、ごめんなさい…』
『かれんとはゆっくり話せたか?』
『うん!』
ナオトの優しい声を聞いて、タカノリは察していた。
ナオトは彼女にリュウジを会わせたかっただけなのだと。衣装のことはついでにすぎなかったのだと…
『あねさん、さすがだわ…』
『あ?』
タカノリの呟きにナオトが反応した。
『あねさん、全部お見通しでしょ…』
『なにがあ?』
リュウジは自分のことを言われているとは思わず間の抜けた声をあげた。
『なんでもない…』
リュウジが全く気づいてなさそうだからか、タカノリはあっさりと話を変えた。
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