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『かれんさんの店の品揃えはすごいっすね。間違いなく「界隈」一でしょ』
『かれんは俺の好みを分かってるからな、それにうちの店の衣装も任せてるから珍しいものも多いんだよ』
『あねさん、ねぇさんがこれを薦めてくれたよ』
リュウジは言いながら白のスタジャンを取り出した。
『かれんの奴、攻めてきたな。つか、マジ俺好みだわ』
『でしょ!』
『なんでリュウジが得意げなんだよ』
リュウジのドヤ顔を見てオミがツッコミを入れた。
『だって、絶対あねさん、気に入ると思ったもん。あねさんが一番最初に選んでよね』
『選ぶ?』
ナオトが首を傾げた。リュウジはスタジャンを手に取ると背中の刺繍を見せた。
『これ、刺繍の柄が一つずつ違うんだよ、だからあねさんが最初に選んで』
リュウジは声を弾ませていた。その様子はまるで子供が母親にプレゼントを渡す時のようにワクワクしたような顔だった。
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