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言いながら手を伸ばしたオミを見つめながらリュウジは頬を膨らませた。
『オミに言われるのだけは納得がいかない!』
不機嫌を隠さないでリュウジはオミに背を向けた。
『なんでだよ!』
リュウジの態度が気に食わないのかオミも食ってかかっていった。
『だってオミもガキなとこあんじゃん』
『確かにな…挑発にすぐ乗るし…』
ナオトはうんうんと頷いた。
『あねさん、やめてもらえますか?あにさんがすごい目で睨んでんすけど…』
オミが視線を向けるとナオキが目を細めてオミを睨み付けていた。
『ナーオーキ!』
ナオトがナオキの機嫌を取るように腕を組むと、ナオキはナオトを見下ろして口許を緩めた。
『あにさんって、本当にあねさん好きですよね』
『私にとっての家族はあにさまだけであったからな…』
ナオキがぽつりと漏らした言葉にリュウジがにかっと笑う。
『でも今は家族増えたじゃないですか!』
『え?』
リュウジの言葉にナオキが首を傾げた。
『今は俺たちも家族でしょ』
リュウジがまたにっこりと微笑むのを見たナオキは一瞬視線を伏せたが顔を上げるとリュウジに歩みよりその頭を撫でた。
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