序章

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「界隈」と呼ばれる街がある。その街は芸に秀でた者こそが尊ばれる街。この街では男は立場が低く、女性たちから「言いなり」と呼ばれる。 そんな街で男が認められるには「屋号」を手にすること。何かの芸に秀でた男だけが「屋号」を与えられ、女たちに認められる。 今現在、唯一無二の屋号を持つ者は四人だけ。 「いにしえ屋ナオキ」 「をんな屋ナオト」 「はしり屋ケンジロウ」 「ばくち屋タカノリ」 そして、今三人の男たちが一つの屋号を名乗っていた。 「うたい屋」 その屋号を争うのは リュウジ、オミ、エリーの三人。 三人は我こそが「うたい屋」と譲らない。 この「界隈」で唯一無二の「うたい屋」となるのは 果たして誰なのか…
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