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『女を憎んでるオミには「をんな屋」を名乗る資格はねぇ。あねさんは女の気持ちを理解しようとしてる。この店のねえさんたちがあねさんのためなら命を捨ててもいいと思えるのは、それを知ってるからだ』
ナオトは顔を上げないリュウジの背後に回ると、その首に手を回した。
『あねさん』
驚いて顔を上げたリュウジの顔を覗き込んだナオトは優しい笑顔を浮かべる。
『嬉しいこと言ってくれるじゃねーか』
『俺が生きてこられたのはあねさんが俺に居場所を作ってくれたからだ。まだ「言いなり」だった俺を引き取ってくれて、歌いたいって願いまで聞き入れてくれたから…』
『そんなこともあったかねぇ』
そう言って微笑むナオトにリュウジは見惚れていた。色気は増したが、優しい笑顔は初めて会った時と何も変わっていない。
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