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『おい!』
ナオトはナオキに近づくとその腕を掴む。泣いているナオキは反射的に顔を上げた。
『お前は今日から俺の弟弟子。俺はお前の兄弟子だ』
ナオキを見つめてそう言うと、ナオトは彼から視線を逸らした。ナオキは訳が分からずにきょとんとナオトを見つめている。ナオキには自分の言おうとしていることが伝わっていない。それが分かっているのだが、照れ臭いのかナオトは言葉にすることを躊躇っている。
『だから…俺たちは兄弟弟子になったんだ』
そう言ってみたが、やはりナオキには彼の想いは届かない。ナオトは覚悟を決めたのかナオキを真直ぐに見つめ、こう言った。
『俺とお前は兄弟。今日から俺がお前の家族だって言ってんだよ』
ナオトの言葉を聞いたナオキの瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
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