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『家族?』
『そうだ。俺はお前の兄弟子だからな』
ナオトはわざとらしく、弟子と言う言葉を強く言った。恥ずかしくて視線を逸らしたナオトの耳に小さな声が届いた。
『あにさま…』
ナオトはナオキに視線を戻す。ナオキはそう呟くと俯き、ぐすぐすと嗚咽を漏らしている。
『なんだよ』
呆れたような、でも優しいナオトの声にナオキはもう一度彼を呼んだ。
『あにさま』
『もう泣くな』
そう言って笑ったナオトにナオキはしがみついて泣き出した。
『だから泣くなって言ってんだろ』
ナオトはしがみつくナオキから離れようとする。そんなナオトの顔が赤く染まっていた。
ナオキを落ち着かせるために言ったはずが、あにさまと呼ばれたことのくすぐったさにナオトは思った以上に照れていたのかもしれない。
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