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ナオキはナオトのことを兄と慕い、いつもナオトの後についてまわった。ナオトも口ではついてくるなと言いながらも、一緒に学ぶ者が増えたことが嬉しいようだった。
ナオキに舞を教えることがナオトにとっては楽しくもあった。ナオキは慣れぬ動きに苦戦し、なかなか覚えはよくなかった。だがナオトが根気よく教え、何度も舞を見せることで少しずつ動きもよくなっていく。
そしてナオキが基礎を叩き込まれた頃、神楽の君が初めて稽古をつけてくれた。だが感が良く一度の説明で飲み込むナオトと違い、ナオキは何度も何度もやり直しと叱られていた。そしてある日、二人は師匠に言われた。
『今日から稽古は別々につけることにします』
師の言葉に二人は顔を見合わせる。二人きりになった時、ナオキは兄弟子に向かって深く頭を下げた。
『わたしが不出来ゆえに申し訳ありません』
ナオキは明らかに落胆して肩を落としていた。
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