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「あーさーひーくんっ!!」
がばっ
急に背中に体重がかかってきて振り返ると通常運転の一真が満面の笑みで立っていた
「おっはよー!!」
「うん。おはよ」
「まったく……テンションが低いなぁ」
一真が高いだけだと思うんだけど。
「お!あれ凛々亜ちゃんじゃね?」
「ん?そうだね。部活中じゃない?」
一真の視線の先には美術室があった。そこには部員と何か話しているのだろう凛々亜がいた。凛々亜は絵が好きだった。この学校の美術部は結構有名で、そのため凛々亜はこの学校にしたらしい。
ちなみに俺は、入れそうな成績だったからってだけ。
「いや~凛々亜ちゃんかわいいよなぁ~」
「ん?うん、そうだね」
「……お前なぁ。あんなにかわいい子が幼なじみなんだからもう少し喜ぼうぜ?」
「う~ん。子供のころから一緒だからね。なんか家族に近い感じかな……」
「そういうもんかね……」
「……あのさ、もう少し速く歩こうよ。遅刻すんじゃん。」
「へいへい。大丈夫大丈夫。」
「お前のせいで遅刻するのとか絶対嫌だから」
「……ちょ!速すぎ!もうちょいゆっくり歩けよ!それもう走ってるって!」
「走ってないから!競歩だから!競歩とただ走るのは違うから!!お前なんか知らん!」
「いや、だから待てって!大親友を置いていくつもりか!」
「ならとっとと歩けよ!」
ぎゃーぎゃー騒ぎながら校舎に入り、教室まで来た。
…………なんかクラスの奴らが温かい目で見てきたのは何故なんだろうか。
「はぁ……はぁ……。一真……お前、マジ馬鹿……帰宅部になんつー、運動を」
「いや、これ俺のせい!?旭が勝手に俺から逃げるみたいに早歩きしてただけじゃん!!」
まぁ、遅刻はしなかったし。……いっかぁ。
教室入ってすぐのとこで話してたから朝練を終えて教室に入ってきた人たちに、何があったのかなんとなく察しられてしまい、またあの温かいで見られることになったのでした……
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