「セカンドスケジュール」

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人身売買の噂は信憑性が高かった。 荒廃する西の城門。 廃墟区と化して治安が悪化している。 交易の隊商は南の門を通ってくる。 隣町はもはや文明機能が衰退。 雑多な集合地点でしかなかった。 その先のマテオリでは「挙兵」の噂がある。 政敵に敗れた僭主が兵を集めているという。 ハルーサで知れるのは表面だけ。 フェルト達の限界。 一線を踏み越えるられないこと。 見切りを誤ると。 たぶんニナも行政任せになる。 任せてどうなるか。 以前の「犠牲者」の行く末は見届けていない。 伸びをするとソファーが軋んだ。 卓上の珈琲を飲む。 「贄」を捧げて事なきを得る。 此処でも大して変わらない。 いつ贄が切れるかは誰も知らない。
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