「セカンドスケジュール」

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帰ると僚友が。 「客が来てるよ」 と笑った。 「そろそろ現実に帰りませんか」 何時まで学生なのか。 と、小言を言いに来る侍女のコール。 言付けを伝えに来ているだけの少女。 ニナと大して変わらない歳の頃。 奴隷との違いは雇用契約があることか。 それも昨今では減ってきている。 それだけ飢餓が進んでいる。 国は境目にあった。 「今年で終わる、ちょっと待ってくれと」 寮でもヴィオは紫煙を吐く。 「こっちも春まで」 フェルトは湯を沸かし始めた。 「そうですか」コールは窓の外を見る。 遊んでいては国は統べられない。 民主主義の体制は崩れてきている。 窓の外は薄日と風と塵埃。
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