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視界が、揺らいで。
背中に、鈍い痛みを感じた。
「俺のことを、好きになれないのなら」
床に押し倒されたのだと気付いたときには、もう何もかもが遅かった。
「嫌いに、なってください」
誰よりも、と彼は言った。
甘い、声だった。
彼の白い手が僕に触れるたび、僕はまるで彼を汚しているような錯覚に陥った。
彼の未来ごと、自分の仄暗い欲で汚しているような気がしてならなかった。
汚れる、と僕が思わず呟くと。
「俺が、汚してるんです」
ぽたり、と。
白い雫が、黒く濁った胸の中に落ちたような気がした。
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