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「本当、人使い荒いよなぁあの人」
楠葉亮はコーヒー豆を挽きながら呟いた。
「黙ってれば美人だが少し変わってるよな、こんな人通りが無い路地裏にカフェなんて作って。」
亮は店の中を見渡す、中は狭くバーのような空間、机や椅子はアンティーク物で統一されている。
サイフォンをセットし、コーヒーの抽出を始める準備を行う。
「よし、後は客待ちだな。」
リンっと扉につけている鈴の音がなる。
「いらっしゃ……ってオーナーか」
「おいバイト君ちょっといいかい?
「なんですか?お客さんきちゃいますから手短にお願いします。」
扉前に立つオーナーは、一息つくとカウンター席につく。
目線を天井、サイフォン、カウンターと移動させ亮の顔を見る。
「いい知らせと悪い知らせどちらが聞きたい?」
「すぐ忘れられるよう悪い知らせからがいいです。」
一瞬嫌そうな顔をしたがため息ついて口を開くオーナーの姿。
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