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俺の初めての男は、ここに居る時季だ。誰よりも優しくて、俺を守り続けている男。この恋も痛い。仲間でチームで、失えない存在であった。俺の体なんて、いくらでもくれてやるが、恋はできないのだ。
「恋では死ねないけれど、大和の為なら死ねる……」
時季の言葉は甘い。時季の、くせ毛の髪も、赤毛も赤い瞳も、皆が見つめる特別な存在であった。派手で目立って、美しい獣のような姿。それが、俺を見つめている。この優越感は、時季が相手だからだ。
「もしも、俺が五羅のものになったら、そん時は奪え、時季……」
「……当然」
時季が上着を脱ぎ、床に敷いていた。もしかして、本当にコクピットなのか。確かにこの船に、まともなベッドはない。
首を舐められて、俺の服が脱がされてゆく。時季の頭を抱き込むと、時季の手が俺のズボンを脱がしていった。
「大和、これでは背中が痛いだろう?今日は抱っこの状態でするか」
時季に抱き込まれて、膝に乗せられていた。正面で向き合うと、すごく恥ずかしい。それに俺の体が、あれこれ出来ると言える程、開発されていない。入れるだけで、限界なのだ。
「大丈夫、無理はさせないよ。シェリエの生粋は、結構鈍くてね、なのに、壊れやすい」
鈍いとは何だ。
指で後ろを突かれると、思わず時季に抱き付いていた。
「そのまま抱き付いていてね。今、慣らしてあげるから」
腰を支えられて、指を挿入されていた。何度やっても、これだけは嫌であった。やはり排出する機構は、入れるという事が不快であるのだ。
でも執拗にいじられていると、次第に痺れてくる。痺れてきても、時季は焦らずに、ゆっくりと俺の首や肩を舐めてキスしていた。
「やっぱり鈍いよね。痛い時は痛いと言ってもいいよ。苦しい時もね」
何度も、鈍いとは何だ。しかし、確かに鈍いかもしれない。感覚が失せてゆく感じがしていた。麻痺してきたのかもしれない。
「大和に感じ方を教えてゆくよ」
何をするつもりであろうか。感じ方などあるのであろうか。
「中だけで、感じられるようにね」
いや、男なので、前で感じたいのかもしれない。でも、真剣な時季の表情に、俺は観念するしかなかった。
いや、いや、やはり前がいい。入らない、圧迫される、かなり怖い。無限の大きさに責められているような気になる。どこに終わりがあるのか分からない。
「それでは大和、自分で腰を振ってみて」
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