第四章 静かな湖畔

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「食事代は一羅様でよろしいのですよね?」  一羅が頷くと、女将はにっこりと笑った。 「最高の品、既にご用意済です」 「ちょっと待って、何を用意したの」 「あれこれです」  女将の迫力に、一羅が怯んでいた。 「……妻に殺されそうだね」 「はい、一羅様のお帰りですよ」  一羅は、女将に見送られて帰って行った。 「大和、亜空間で五羅に会ったって、どういうことだ」  時季は、一羅の姿が消えると詰め寄ってきた。  俺は、ソニアの幻影の街を見ていたら、五羅の姿を見たと説明してみた。 「でも、指輪って。やっぱり、五羅は大和を選んでいたということか……」  時季が、長く溜息を付く。
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