第四章 静かな湖畔

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 女将は、次々と珍しい食材を持ってきていた。 カニやアワビなどもある、 後で一羅が奥さんに怒られているのが目に見える。 一羅の奥さんは、鬼城の経理であった。  でも、出て来た食材は全て食べた。 「あら、食べ物に好き嫌いはないのですね。 分かりました、この女将、料理長と共に、いい食材を仕入れて、 船に積み込みますよ」  高級料亭の味など、予算が出ない。 「大丈夫です。 米と塩さえあれば数日の食事になりますから」 「いけません!」  ぴしゃりと言い切られ、しかも、襖も閉められてしまった。  食事は美味しかったが、女将の迫力には飲まれてしまった。
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