第五章 桜川 伊都(さくらがわ いつ)

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 この邸宅に子供が居るとは、聞いていなかった。 桜川には家族はいたが、妻は既に亡くなり、 子供は研究施設で桜川の研究の続きをしていると聞いていた。 「半分機械、 左手、右足、右目、片脳、よくできている」  車イスの少年が、高麗の回りを走る。 「しかも、童貞で処女」  高麗が一瞬で真っ赤になっていた。 処女はともかく、童貞は否定して欲しいが、 高麗は真っ赤になったまま俯いてしまった。 あ、本当に童貞であったのか。 「俺、ボディを変えてくるよ。待っていてね。 それに、入っていいよ」  許可を出したということは、今のが桜川であったのか。
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