第五章 桜川 伊都(さくらがわ いつ)

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 正面ホールの、吹き抜けのはめられたガラスから、 日差しが注いでいた。 ここは、心の治療もできる。 とても、安らいだ気持ちになっていた。  そこに、白衣を着た青年が走ってきていた。 「待たせたね。俺は、桜川 伊都(さくらがわ いつ) ジュリアンに、残された僅かな時間を、最後の治療に費やしたいと依頼した。 俺は、全身が機械で、少年の姿の時は、脳以外の機能を停止している。 こっちは仕事用ね。 ちなみに、ジュリアンの三倍は生きているからね」  ジュリアンは年齢を聞くと、ウソしか言わない。 ウソの三倍というのは、計算不能になっていた。
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