第五章 桜川 伊都(さくらがわ いつ)

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「病棟は患者しか入れない。 入っても、十分以内に出る事、 出ない場合は、ここのシステムが侵入者として抹殺するからね」  桜川が敷地内を案内してくれた。 病棟の外は、リハビリを兼ねた散歩コース、各種の花や木が植えられていた。 やや丘もあり、池も用意されていた。  散歩コースを抜けると、桜川の住居がある。 窓の多い岩で造られた家で、大きいことは大きいが、 驚く程の大きさではない。 「俺の家は、入らなくてもいい。 この中には猛獣を放しているから、すごく危険。 俺が頼みたい護衛は、 この敷地内に入った敵は生きて出られないとPRすることだけだから」  でも、と、桜川は抱えたままになっていた高麗を見ていた。
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