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細い路地を抜けてゆくと、
家と家の隙間で商いをしているような、うどん屋があった。
暖簾は地面まで伸び、紺地に白文字で、丸とだけ書かれていた。
「丸?」
袈裟丸は、迷わず中に入ってゆく。
俺は、このうどん屋に入るのは初めてであった。
「おっさん、うどん二人前」
袈裟丸は、奥に入ると丸椅子に座った。
俺も入ると、店内を見回す。
「うどん、大盛りかい?味は?」
店主は、片足を失っているので、
元、鬼城家のどこかの組に所属していたのだろう。
任務で怪我をして引退した者も、この星には多く存在していた。
「超大盛りで、醤油。大和は、どうします?」
「大盛り、塩味。薬味はねぎで多め」
俺は、袈裟丸の横に座った。
ここ、店内というよりも、道であった。
上を見ると、屋根はなく空が見えていた。
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