第五章 桜川 伊都(さくらがわ いつ)

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「高麗、経験がないみたいだったよ」  桜川の条件で、半分、未経験がキーだったのかもしれない。 その条件に合った高麗を、俺は与えてしまったのか。  高麗は、桜川に長いキスをされると、 首や胸、腕や足にキス跡を残されてゆく。 そして、初めての場所に指を入れられると、 目から涙を落としつつも、唇を噛みしめていた。  高麗は、映像として残されているなど、気付いていないだろう。 「あの野郎……」  俺の目が、金色に変わってしまっていた。 これはキレてしまったからで、時季や響紀と同じく、 誰にも止められない。  高麗の両足が、開かれてゆく。 その中央には、桜川の手が動いていた。 指を増やされると、高麗の悲鳴のような声が聞こえた。
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