第五章 桜川 伊都(さくらがわ いつ)

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 桜川の体が進む。 しかし高麗の体は容易に開かず、桜川が少し動くと、 絶叫していた。 じわりじわりと、侵入を許す高麗が、 桜川の突然のキスに驚いた瞬間、目を見開いて固まった。 高麗は、桜川を埋め込んだのだ。 体の中に他者が存在することは、男としては、想像もできない恐怖だ。  高麗の目が、ゆっくりと自分の下半身を見ていた。 そして、又、何かを叫んだ。  高麗は、幾度も幾度も突き上げられ、 体位を変えては又突き上げられていた。 桜川は、しつこく執拗で、やがて高麗から声が消えた。 高麗は嗚咽だけになったが、まだ続き、 やがて動かなくなった。
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