第五章 桜川 伊都(さくらがわ いつ)

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「まあ、今回は見なかったことにしましょう。 俺達は結婚しました。 それは、俺が最後に造る、高麗の半身を高麗のものとするためです。 俺の作る物は高くてね、高麗には支払できません。 夫婦ならば、財産を貰ってもいいでしょう」  結婚の意味は分かった。 「では、何故、高麗を抱いた」  回答よっては、この建物ごと桜川を抹消する。 回答を聞く余裕が、まだあった事が不思議なくらいなのだ。 「データですよ。 移植後と比較するために、細部にわたる感度のデータを採ったのです。 相手が俺であったのは、夫婦ならば強姦にはなりませんし、 俺は高麗が気に入りましてね。誰にも触れさせたくなかった」 「高麗は合意だったか?」  桜川は、やや下を見た。 やはり、桜川を殺してもいいだろうか。
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