第六章 夜咲く花と、 散る花と

11/30
前へ
/306ページ
次へ
 宇宙船を宇宙航路に乗せると、暫しする事はない。 航路から外れさえしなければよいのだ。  時季を見ると、既に眠っていた。  仕事の確認をするかと、通信で使っていた亜空間を見てみると、 又、高麗の情報を発見してしまった。  今度は治療記録で、 高麗は、水槽の外に出られるようになったらしい。 「クラゲ?」  高麗の不足している部分は、透明なゲル状のもので覆われていた。 透明で、伸びて来る血管や神経が透けて見えていた。 ゲルの表面に、皮膚を伸ばしているらしい。  ゲルの中に、時折、注射のようなものをすると、一瞬、赤くなる。 そして、切断面が泡を吹いたように膨らみ、肉や骨が形成されていた。
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加