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「でも、あれは、DNAを組込んだナノマシンか……」
やはり、桜川は高麗を実験体にしているのか。
ナノマシンにDNAを組込み、
人間の一部として機能させてゆくなど、聞いたこともなかった。
「高麗……」
やはり、助け出さなくてはいけないのか。
しかし、この状態では施設の外に出せない。
「大和、そうでもないのよ」
時季が起きてきて、俺の後ろに座っていた。
俺を抱き込みながら、同じ亜空間からデータを採り出してきた。
そこには、高麗の車イスを押す、桜川の姿があった。
高麗は終始笑顔で、しかも、信頼に満ちた目で、桜川を見ていた。
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