第六章 夜咲く花と、 散る花と

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「信頼と幸福があるよね。 高麗は望んで、桜川の傍にいる」  俺が頭を抱えると、時季が両手で後ろから抱き込んでくる。 「俺も望んで大和の傍にいるよ。 少しは、気遣ってよ」  そこで、何か引っ掛かりを感じる。 桜川は、亜空間で荷物を運んでいた。 桜川自身もしくは付近に、亜空間使いがいるということだ。 それなのに、高麗の情報がだだ漏れなのは何故なのか。  桜川が、故意に情報を流しているのだ。 高麗の情報が流れて困ったのは俺だ、 こうして、護衛中だというのに、鬼城に呼び出されている。  もしかして、そういうことなのか、 桜川は、鬼城が俺を呼びだすように、情報を漏らしたのだ。
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