第六章 夜咲く花と、 散る花と

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「いて!!」  時季はそれでも、俺の拙い説明を理解したようだった。 「しかし、桜川は何の目的で亜空間を使用するように仕向けたかな」 「それは、俺だよ。 この状態の俺ならば、仲間を助けるために、亜空間を閉じ、 相手を殲滅させるだろ。 星を傷めずに、敵をまとめて殲滅可能になる」  操縦を時季に任せると、俺は亜空間の中へと移動してみた。 亜空間は、無の空間ともいえるが、今は、桜川の付近と限定していた。  暗闇の中で、戦闘機の気配がする。 針の穴のような光は、出口の印であった。 誰かが、手引きしているのかもしれない。 針の穴でも、戦闘機は出入りできる。
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