第六章 夜咲く花と、 散る花と

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 わざと亜空間があると知らせ、そこの警備が薄いと情報を流し、 攻撃してきた所を一気に叩く。 でも、あまりに、場当たり的のような、計算高いような、 妙な計画であった。 「とりあえず。桜川に罵倒」 「しておいたよ」  にっこり笑う時季は、操縦を自動にしていた。 「さてと、これでゆっくりできますよね」  コクピットでするのか?少なくとも、覗きのできる亜空間は全て閉じよう。 そう思って亜空間を確認して、又、高麗を見つけた。  今現在の高麗の姿なのだろうか、うつ伏せの状態で桜川が上にいる。 桜川のボディは、亜空間の中に存在していた。 高麗を抱いているのは、桜川という機械であるのかもしれない。 計測器の塊で、高麗の動きや体温、圧力、全てを数値で残してゆく。
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